子供ができずに悩んでいる人や不妊治療中の人にとって、「子供はまだ?」の一言はナイフのような言葉ですよね。
私は欲しいと思ってから約3年、自分の子供に会うことができませんでした。
その間、不妊治療し妊娠したと思ったら流産というのを繰り返しています。
ただでさえメンタルボロボロなのに、追い打ちをかける「子供はまだ?」の一言。
とにかく辛かった時代の気持ちを綴ってみました。
※私が体験したのはAIHまでの比較的軽い治療となります。万一IVF・ICSIをされている方で不快感を抱かれた場合は申し訳ありませんが、そっとページを閉じていただければと思います。
Contents
「子どもはまだ」攻撃が辛すぎた体験談
結婚して1年近く経つ頃からでしょうか。
周囲からの「子供はまだ?」攻撃が始まるんですよね。
聞いてくる人のほとんどは悪気なんてまったくなく、「今日いい天気だね~!」と同じ感覚で「子供できた~!?」と聞いてくるのでしょう。
聞く側はあなたに対して一度だけ聞いてるつもりなのかもしれません。
でも聞かれる側は同じ質問を四方八方から聞かれうんざりなんですよね。
予想以上に子供ができずメンタルが病んでくると、、それはまるで凶器のような言葉に聞こえてきました。
会社の社長・同僚から聞かれる
一番辛かったのは会社の人から聞かれたことです。
退職しない限り切るに切れない縁の人たちですからね。。。
飲み会での公開処刑
ある時は部内の飲み会で。
既婚子持ち男性からみんなのいる前で「いしかわさん、子供はまだなの?」と聞かれ
公開処刑ですか・・・!!
というような、とても恥ずかしい気持ちになりました。
不妊治療をしている人がゴマンといるのは分かっていましたが、そうでない人の方が多数派。
治療をしないと授かれない自分が出来損ないのようなコンプレックスも感じていましたから。
普通のカップルが快楽とともに手に入れるものを、自分は苦痛を受けても手に入れられないかもしれない。
未知の恐怖を感じていました。
理解度ゼロ課長のマシンガントーク
またある時は別の男性から二人きりの時に「お子さんまだですか?」と聞かれたので、「欲しいんですけどなかなか・・・」と返答。
ですが何も察してもらえず、「子供は可愛いですよ~」とマシンガンのように語られました。
できないことを匂わせれば黙る、なんてネットによく書かれていますが大間違いですよね。
言ってすぐ理解してくれる人はそもそも簡単には聞いてきませんからね。
社長の破壊力抜群セクハラトーク
でもやっぱり一番辛かったのは社長からあれこれ言われたこと。
社長からの電話を取ったら「いしかわちゃ~ん、子供できたか~?」と陽気な声。
3日前ぐらいに聞かれたばかりでそんなすぐできませんって!
他にも、普通の会社であればセクハラ案件なことを時々言われました。
- (不妊治療中と伝えたら)「そうか~、精〇を注射器に入れてピューッとしてもらえ~!」
- (社員旅行に行けなったら)「お土産は化粧品か~?それとも穴開きの避妊具か~?」
- 最近打ったのが当たって赤ちゃんできてないか~?
しかも3つめの、「打ったのが当たって」発言は、16週で死産し1週間会社をお休みいただいた直後の出来事でした。
社長は悪気はなく、むしろ一社員の未来を案じて気にかけてくれていたのだとは思います。
実際いつだか私が妊娠するのを「楽しみにしてる」と言っていたこともありますし。
でも・・・
会社の人が相手では距離を置くにも置けないから余計辛かったものです。
友達から聞かれる
友達からもたまに聞かれました。
「何で子供作らないの?」なんて作らないと決めつけられた言い方をされる日もあり。
幸い友達はそこまで聞いてくる人はいませんでしたが、後から結婚した友達が先に妊娠すると辛い気持ちもありました。
嬉しい気持ちもありましたし、誰が悪いわけでもないんですけどね・・・。
例えると目の前にとても大好きなお菓子があって、私が「後で食べるんだ~!」と楽しみにしているのを、横からさっと友達に奪い取られ食べられてしまうような気分。
でも結婚・妊娠・出産といったライフイベントではよくあること。
とにかくこの辺はデリケートな話題なんだと痛感しました。
また、一番に子供を産んだ友達がライングループで赤ちゃんの写真を送ってきて、ワイワイ盛り上がっているのも辛かったですね。
近所の人に聞かれる
主人と昔からの知り合いの年配女性からの言葉もきつかったです。
「子供はまだかい?」
「そうですね~(濁す)」
「何で作らないんだ?早くせんかい」
「・・・・・・。いやぁ、不妊治療しているんですけど・・・。」
「は?治療してる?それなのに何でできないんだ!(ちょっと口調強くなる)」
「・・・・・・。(そんなのこっちが知りたいですよ)」
ご年配の方には結婚したら子供が生まれて当たり前という認識の方もいるようで、欲しくてもできない人がいることを理解してもらえず辛かったです。
幸いだったのは、両親・義両親ともにそういった催促はまったくしないでくれたこと。
義母には何か言われるかと構えていましたが、義母自身も過去に流産経験があったようで心情を理解しているのか、一度もそういったことは言われませんでした。
本当にその通り。
私ももしまったく苦労せずに子宝に恵まれていたら「子供はまだ?」と誰かに聞いて傷つけていたかもしれません。
初対面の人に聞かれる
初対面の人からは「お子さんはいらっしゃるんですか?」とよく聞かれました。
(いたっていなくたって関係ないじゃん!)と思いながらもにこやかに「まだいないです」と答えるのが精一杯。
まったくもって深い意味はないと分かってはいるのですが、四方八方からグサグサ刺され続けてきた心は相当敏感で、臆病になっていました。
無視すればいい、気にしなければいい、って言いますが、そう簡単に割り切れたら世の中悩みなんて存在しませんよね。
末期は引きこもり寸前、友人とも会わず
不妊治療開始から2年ぐらい経った頃からでしょうか。
上手くいかない治療や子供について聞かれるストレスから、かなりメンタルがボロボロになりました。
人に会えばまた「子供はまだ?」と聞かれるかもという恐怖。
たとえ友人であれ人に会うのが億劫になってしまいました。
もし聞かれたら何て答えよう、と完全防備で人に会うことに疲れてしまい、だんだん友人からの誘いも断るようになり、引きこもりがちに。
でも人とまったく交流しないのは寂しい・・・
そこで当時私は韓国語を勉強するのが趣味でしたので、日韓交流会に時々顔を出し、自分の素性を知らない人との会話を楽しんでいました。
既婚者と言うとあれこれ聞かれるので、未婚・彼氏持ちと言うことにして。
こうした結果、だいぶストレスが減った生活を送れるようになりました。
「子供はまだ?」攻撃でメンタル崩壊するぐらいなら、逃げれるところは逃げてしまいましょう。
今はSNSも発達していて、趣味の合う仲間探しがオンライン上でできてしまう時代。
心地いい居場所をリアル以外で探してみるのもいいですね。
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